駅のエレベーター

4月の上旬 新聞に
「車椅子で無人駅利用 わがままですか?」 という記事を読んだ。

車椅子で生活するコラムニスト伊是名夏子さんが、無人駅を利用しようとした際、
駅員から一時「案内出来ない」と言われたとブログに書いたら
「わがまま」という批判も多く寄せられたという内容。 いわゆる炎上ですね。


今、首都圏で利用者の多い駅には、エレベーターがあるのは当たり前なことになっている。
私も、スーツケースの時など利用すると、ベビーカー、足の悪いお年寄り、と 
小手指駅では1回では乗り切らないこともあったりする。

今でこそ、エレベーター エスカレーター は当たり前だけど、
実は25年くらい前は全然当たり前ではなかった。

私が10代後半から20代前半(つまり25年くらい前)は、近くのJRにはエレベーターなんてなくて、
車椅子で電車に乗ったら、4人が掛かりで担ぎ上げたり下ろしたり。
ベビーカーのお母さんのベビーカーを持ってあげているサラリーマンも普通にいたように思う。

私はその頃、重度障害者の作業所やグループホームでボランティアやアルバイトをしていたので、
よく彼らと外出した。
その時、職員が施設のリフト車(車椅子ごと乗り込める車両)を出せば移動は簡単なのだけど、
それでは地域で暮らす意味がない。
使わなければ、居ないものと思われて、いつまでだってバリアフリーは進まない。
介護者も、本人も楽ではないけれど、頑張る!
そんな気概を持って、
あえてバスに乗り、電車に乗って外出したものだ。

駅をたくさん使うと、駅員さんは大変になる。
そしてやっと 駅にエレベーターをつけることが検討される。

そのような活動の元、
2016年に障害者差別解消法 が制定されて、
健常者には求めない場所や時間の制限を障害者に要求することが禁止されました。

ね、つい最近のことでしょう?

今、エレベーターがあるから、ベビーカーのお母さんも、足の悪いお年寄りも 荷物をたくさん運ぶ若者も
恩恵を受けられています。

それって 障がいを持つ当事者の方々が、活動してきた結果なんです。

私も若い頃、駅員さんがいつも1人しかいない駅への出入り あえて行きました。
大変だし ドキドキするけど チャレンジしなきゃ変わらない。

だから、自分たちがいつも使う駅でエレベーターが工事が始まった時
とても嬉しかった。
そして、出来た後、お年寄りやお母さんたちが使っているのを見て
ちょっと誇らしかった。
だって近隣の駅では1番に出来たから。

炎上をしたのを知って、
自分たちがどれだけ障がいを持つ人たちの活動によって助けれてるか
知らないんだろうな
駅にエレベーターがあるのは 当たり前なんだろうなって思って
歴史を知らないって 怖いことだと改めて思った。

だってね、25年前よりちょっと前は
乗車拒否って当たり前だったから。
バスが停まってくれないの。
普通に「乗れませんよ!」って言われたから。



基本的人
権も 投票権も 人類が 血と涙を流しながら獲得してきた権利なのに
今はそれを行使しない人が大勢いる。
政治を考えることができるのは、当たり前のことではないのに
それをやらない人が沢山いる。
自分の身近なことしか考えが及ばない大人が大勢いる。

当たり前って 本当に当たり前なのか?
考える必要があるって本当に思う。




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